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流行発見

「鉄男」「鉄子」「鉄ちゃん」――。鉄道ファンをオタク的な趣味人とみなす風潮の中で、これまであまり鉄道に興味をもたなかった若者や家族連れが、鉄道をテーマにしたバーやカフェに押しかけている。鉄道文化の不思議な広がりの背景に何があるのだろうか。 tetuko

 休日の昼時。オープンタイプの店の前には順番待ちの家族連れがずらりと並ぶ。お目当ては、電車が走り回る店内のジオラマ(立体模型)だ。それを取り巻く席で食事をしたいがために、ほかのテーブルが空いていようが、1時間待ちもいとわない。「関西人が並ぶ姿は珍しい」と店長の中庄良太さんは笑う。ここはJR尼崎駅近く「アミング潮江ウエスト2番館」の3階「ホビスタ」内にあるレストラン&バー「銀座パノラマ尼崎店」。鉄道ファンにはよく知られる東京・銀座のバーの2号店だ。


今年7月に誕生した「ホビスタ」には、鉄道模型 ・鉄道関連商品を扱う店や総合模型ショップなども入居。さらにフロア真ん中にもジオラマが。140平方メートルに大阪・京都・神戸から広島・山陰・名古屋・北陸方面までの街が描かれ、色々な電車が走り回る。

 「これを見ていたら、小さいころは電車に乗るのが好きだったことを思い出した」(40代女性)。「目的があるときは新幹線を利用するけど、女同士で飲んだり食べたりしながらゆっくり列車に乗っているのも楽しいと思うようになった」(30代女性)。

 大阪に2店舗ある「鉄カフェレトロ」も、店内を走り回る鉄道ジオラマが売り物だ。30分300円で好きなように模型電車を走らせることも可能。店内では実際に運転席から眺める映像や運転音なども流れ、電車感覚満載だ。堺店の入り口には、阪堺電車の車両の頭部分がデンと構える。

 テラ・ステーション社長の寺岡直樹さんが昨年9月、試行錯誤の末にカフェ形態で天王寺に店を開いたところ、鉄道好きの女性客や家族客が訪れるようになり、今年5月の連休には100平方メートル強の店に1日200組が訪れる騒ぎに。8月には広めの堺店を開き、月に約2000人が両店を訪れる。

 泉麻人著『街のオキテ』(1986年)では、最も合コンに不利な大学サークルとして鉄道研究会を挙げている。それほどに鉄道好きは、「人付き合いが下手でモテない男」の代名詞のように扱われてきた。寺岡さんも「2年前にはとても鉄道オタクなどとは公言できなかった」と振り返る。それが今や女性たちにも鉄道好きが増えている。



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