流行発見
きっかけになったのは、2001年11月からコミック誌「月刊IKKI」で連載された「鉄子の旅」。鉄道に興味のない漫画家が鉄道好き(テツ)に引きずり回され旅する様を面白おかしく描いたルポ漫画だ。「読者が付いてきたと確信が持てたのは04年末」とIKKI編集長の江上英樹さんは言う。「05年は『電車男』の大ヒットでオタク文化が市民権を得た。そんな背景も手伝ったのでは」
06年4月には光文社新書『テツはこう乗る』が出て、これを読んだテレビプロデューサーの磯山晶さんが、テツを題材にしたテレビドラマ『特急田中3号』を企画。今年4月から6月までTBS系列で放映された。去年は酒井順子さんも鉄道好きとしてカミングアウト。著書『女子と鉄道』で話題をまいた。
「鉄子の旅」全6巻の単行本の売り上げは50万部。年末には厳選15話を地方別にまとめたカラー版5巻も出る。「実際の色の再現に努めた。今は廃車になった車両などもあるので資料性は高い」(IKKI編集部の神村正樹さん)。5巻をまとめてボックス化し、売り上げの一部を銚子電鉄の応援金に回すという。
「これまでもさまざまなタイプの鉄道好きは潜在していた。それが『鉄子』というネーミングにより登場枠を与えられたことで、表面に浮上してきた」と江上さんはみる。
10月14日にさいたま市に開館した鉄道博物館には、家族連れや団塊の世代など、連日多くの人々が押し寄せる。その数は39万人(12月4日現在)を数え、休日には1万人を超えるにぎわいだ。「30─40代の女性グループというのは、神田の交通博物館時代にはなかった客層」(鉄道博物館)
『テツはこう乗る』を書いた旅行作家の野田隆さんは「今はマニアが面白がられている面もある」と言う。ヘビーなテツを面白がりつつ、ライトな鉄道好きは着実に増えている。
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